第13章 13
私はカバンの中から小さな工具入れを取り出して開く。
中にはドライバーやニッパーなど、修理道具が並んでいた。
私は時計を裏返し、ドライバーで迷いなくネジを外していく。
「………。」
「柚希ちゃんすごいですね。」
「ええ。」
ぱかっと開け、中を確認する。
「……ふーん…。あの、すいませんが何か綿棒とかクリーナーのようなものはありますか?」
「…はい。あると思います。取ってきますね。」
そう言って安室さんはバックヤードから綿棒を持ってきてくれた。
「ありがとうございます。」
私は綿棒で接点の汚れを取った後、電池を入れた。
コチ、コチ、と時計の針が進んでいく。
「よかった…。」
私は裏蓋を閉じて、ネジを締めた。
「はい、終わりました。」
「わぁー…、柚希ちゃんありがとう!」
「ありがとうございます。慣れていますね。」
「ふふ。相棒たちと頑張りました。」
私は少し自慢するようにドライバーを少し前に突き出した後、丁寧に工具入れに入れた。
「ふふ。では頑張っていただいたので、とびきり美味しいミルクティーをお入れしましょうか?」
安室さんはとても優しい笑みを浮かべていた。
「はい、お願いします!でも、安室さんのミルクっていつもとびきり美味しいんですよ!」
私は自信満々に言った。
「いつも、そう言っていただけて光栄です。」
安室さんは慣れた手つきでミルクティーを淹れ始めた。