第12章 12
お会計する佐藤さんの後ろ姿を見ていると、お会計が終わった佐藤さんが振り返った。
「柚希ちゃん、またね。また松田くんの話がしたくなったら、いつでも言ってね。」
「佐藤さんありがとうございます。ぜひ、また。」
「うん!…それじゃあ行くわね。コナンくんも残りのジュースゆっくり飲んで帰ってね。」
そう言うと佐藤さんは、ドアベルの軽やかな音を残してポアロから出て行った。
窓に外を歩く佐藤さんに手を振ってから、ひとつ大きく深呼吸をした。
………なんだか夢みたい…。
そんなことを思っていると、
「柚希さん、よかったね。」
コナンくんがカウンター席からテーブル席まで来て優しく言った。
「うん…。本当に…。本当に今日来てよかった…。佐藤さんと今日ここに来てくれて、ありがとう。出会わせてくれたのはコナンくんだね。なんかキューピットみたいだね!」
私はコナンくんの頭に手を置いて撫でた。
「そっ、そんなんじゃねーって!」
そう言って、さっと避けるコナンくん。
でもその耳は真っ赤に染まっていて、可愛かった。
「ふふ。可愛いですね。」
そう言って笑っている安室さん。
「ですよね!私も同じこと思いました!」
同意見の私たちは笑い合った。
コナンくんはそんな私と安室さんを交互にじとーっとした目で見てからドアの方に早足で歩いて行った。
「ぼく、もう帰る!じゃあね!」
そう言ってコナンくんは、ドアベルを軽やかに鳴らしながらポアロを出て行った。