第12章 12
袋の中には小さな白い封筒が入っていた。
………これは…?
私は白い封筒を手に取った。
封はシールで軽く留めてあって容易に開いた。
中には1枚のメッセージカード…。
私はそのメッセージを見た瞬間、息をのんだ。
………じんぺーくんの字だ…。
【これ好きだったろ。たまたま見つけた。少し早い誕生日プレゼント。おめでとう。】
すこしぶっきらぼうな文章。
…でも。…たくさん消し跡がある……。
きっと、私のことを思って書いてくれたんだ…。
そう思うと私の目からはとうとう涙が伝ってテーブルの上に落ちた。
だれも何も言わず黙っている。
アポロの店内には静かなバラードの音と安室さんの食器を拭く、かちゃっという音のみが響いていた。
次々と出てくる涙がひっこまなくて、静かに涙を流した。
涙がやっと止まり、私はハンカチを取り出すと涙を拭った。
「………ごめんなさい。…これ…、すごくじんぺーくんらしいです。」
私はメッセージカードの文字をなぞった。
「こんなにたくさん書き直してくれてる……、たくさん悩んでくれたんだって。」
「ふふ。…松田くんは照れ屋だったもの。」
佐藤さんも小さく笑った。
「はい。きっと面と向かってだったら、「ほら。やる。」ってぶっきらぼうに渡して終わりだったと思います。」
その光景を想像すると思わず笑ってしまった。
「ほんと、目に浮かぶわ。」
佐藤さんもつられるように笑った。