第12章 12
落ち着いた私はお手洗いから席に戻った。
「ごめんなさいね、急に…。…あれ?佐藤さんは?」
席にはコナンくんだけになっており、佐藤さんの姿がなかった。
「佐藤刑事なら少し車に行ってくるって出て行ったよ。」
「そっか!ありがとう。」
安室さんがカウンターから出てきた。
「どうぞ。」
微笑みながら、ミルクティーを私の前に置いてくれた。
先ほどのこともあり、私の胸がとくんと鳴った。
コーヒーやオレンジジュースはもう運ばれていて、私のミルクティーだけ後から淹れてくれたみたい。
「…ありがとうございます!」
………安室さんのこういう、さりげなく優しいところも素敵なんだよね…。
ふわりと甘く優しい香りが鼻をくすぐる。
温かいミルクティーに口をつける。
ほっと私の気持ちを落ち着かせてくれる。
「美味しいです…。」
「はい。ありがとうございます。」
優しく微笑んだ安室さんがカウンターに戻って行った。
………なんだか、また少しだけ胸があたたかくなった。
「やっぱりカップルみたいだよね、柚希と安室さんって。」
「もう、コナンくん!その話は蒸し返しちゃダメ!」
「ごめんなさーい。」
………落ち着いたばかりだというのに。
その時コナンくんが口元をニヤリと緩めたのが見えた。
………こっ、この子わかってやってる!私で遊んでる…!
「そんな、悪い子には……安室さんに頼んで、にっがーいブラックコーヒー出してもらっちゃうぞ!」