第12章 12
「もしかして……付き合ってるの?」
「……え?」
一瞬何を言われているかわからなかった。
「ちっ、違います!そんなんじゃありましぇん!……いっ、いや、ありません!ねっ!コナンくん!」
………焦りすぎて噛んだ…
私は隣に黙って座っているコナンくんに助けを求めるように視線を向けた。
少し呆れた顔をするコナンくんが私を見上げた。
「えっ?僕に聞かれても…。」
「………ふっ。」
小さな笑い声が聞こえて視線をカウンターの方にやると、ドリンクを作っている安室さんが、口元に手を添えて笑いをこらえていた。
………きっ、聞かれてた?!
「……すっ、すいません。あまりに慌てていらっしゃるものですから……つい。」
………やっぱり聞かれてた!!
私は思わず両手で頬を押さえた。
顔がかぁっと熱くなっていくのが、自分でもわかった。
「ちょっ、ちょっと、お手洗いに行ってきます!」
私は2人の返事も聞かずに、逃げるようにお手洗いに駆け込んだ。
鏡に映る顔は案の定真っ赤。
………ゆでだこみたい…。
両手でパタパタと顔を扇ぎながら深呼吸をして、クールダウンを図る。
………周りからそんなふうに見えるのかな…。
鏡を見ると無意識に口元を緩めている私が映っていた。
あれ…。私、笑ってる…。