第12章 12
「…はい。前ほどではありません。心配してくださってありがどうございます。」
「そうですか…。それはよかったですね。」
安室さんは安心したように、ほっと息を吐いて微笑んだ。
………うん。大丈夫。まだ心臓はドキドキしてるけど、前のような嫌な心臓のドキドキじゃない…。
少しずつトラウマは克服出来ているようで嬉しい。
私はもう一つ大きく深呼吸をする。
女性刑事さんが驚いたように私を見つめていることに、その時の私は気付いていなかった。
「ねぇ、あなた。」
突然背中の方から声をかけられ、私は振り返った。
「もしかして、高藤柚希さん……?」
「えっと……。」
戸惑いながら振り返ると、女性刑事さんと視線が合った。
「ねぇ、佐藤刑事って柚希さんと知り合いなの?」
沈黙の私に代わってコナンくんが刑事さんに聞いてくれた。
………もしかして警察官をしている時に会ったことあったかな…。私が忘れているだけ…?でも女性の刑事さんと関わりなんてなかった…。
「知り合い、というほどじゃないかな。私が一方的に彼女のことを知っているだけ。」
「そうなの?」
「ええ。」
刑事さんは私の方に視線をやって微笑んだ。
「少し話したいことがあるの。よかったらこっちのテーブルで少し話さない?」
安室さんに視線を向けると「かまいませんよ。」と優しく頷いてくれた。
「あっ、えっと…。では、お邪魔します…。」
私はミルクティーのカップを手に取り、刑事さんとコナンくんのいる席に移動した。