第12章 12
1月も中旬になる頃私はポアロに向かっていた。
外はいつも通り寒い。でもアポロで暖かいミルクティーが待っていると思うだけで寒さが少し和らいだ気がした。
ーーカランカラン
ポアロのドアを開けると暖かい風と「いらっしゃいませ。」という安室さんの穏やかな声に迎えられる。
はぁー…、帰ってきた…なんてふと思ってしまう。
「安室さんこんにちは。」
「はい、こんにちは。外寒かったでしょう。どうぞ座ってくださいね。」
いつも通り優しく声を掛けてくれる安室さん。
私はいつものようにコート、マフラーを取りお気に入りの席に腰を下ろした。
そして…
「あの…、ミルクティーお願いします。」
「ふふ…。はい、了解しました。すぐにお淹れしますのでお待ちくださいね。」
安室さんは私が何を注文するかわかっていたようで、微笑みながら慣れた手つきで作業を始めた。
私はいつも通り安室さんがミルクティーを淹れているのを頬杖をつきながら見ていた。
「今日は…、とてもご機嫌なんですね。」
「へ?」
「先ほどから鼻歌を口ずさんでいるので。」
「えぇ…、そうでしたか…?」
安室さんはおかしそうに笑った。
最近嬉しかったことは工具にたくさん触れるようになったことだ。
安室さんはトラウマのことも知っているし、話してみてもいいかも…。
「えっと、実は…、」