第11章 11
ハムサンドやオムレツを食べ終えた彼女に飲み物を勧めた。
彼女は迷っているようだった。
そういえば、ミルクティー以外の飲み物を飲んでいる記憶がほとんどない。せいぜいお茶くらいだ。
そして、ふとクリスマスの日に飲んでいたチョコレートミルクティーを思い出した。
「チョコレートミルクティーもできます。」
そう伝えると彼女は嬉しそうに注文してくれた。
嬉しそうに目を輝かせる彼女を見ていると、自然とクリスマスの日のことが蘇る。
思わず口元が緩んだ。
ドリンクを作っていると、バックヤードから梓さんが帰ってきた。
その後は3人でお正月の話をして穏やかな時間を過ごした。
梓さんがお客さんの注文を聞きに行った時、彼女が不意に僕の名前を呼んだ。
僕が彼女の方へ顔を向けると、紙袋をこちらに差し出した。
中身はお年賀だという。
また気を遣わせてしまった。
クリスマスもプレゼントを貰った。
貰ってばかりだ、流石になにかお返しが必要かもしれないな…。
申し訳なく思いながらも彼女の気遣いをありがたく受け取った。
僕はちょうど出来たチョコレートミルクティーを彼女の前に置いた。
湯気の向こうで嬉しそうに笑う彼女を見て、僕も自然と笑みがこぼれた。