第11章 11
梓ちゃんは安室さんに注文を伝えた。
「はい、了解です。」
そう言うと、安室さんは注文の品を作り始めた。
「お年賀の中身どら焼きなの。すごい美味しそうだったからぜひ食べてね!」
「わぁー!美味しそう!どら焼きすごい好き!」
「ふふ、美味しそうなのたくさんあってすごく迷ったの、でもどら焼きにしてよかった!」
私は2人の笑顔を見て、心底嬉しくなった。
「そういえば、迷ったといえば実はクリスマスのプレゼントも迷ったんだよね。」
「えっ、そうなの?」
「うん。それでちょうど会ったコナンくんのお知り合いの方にアドバイスもらったの!」
「そうですか………。どんな方だったんです?」
安室が作業しながら聞いて来た。
「えっと、大学院生だと言ってました!とても優しくて、落ち着いた雰囲気の方でしたよ。」
「……。大学院生…ですか?」
安室さんは一瞬真顔になったがすぐに穏やかな笑みに戻った。
ちょうどその時注文の品が出来上がったようで安室さんは梓ちゃんに視線を向けた。
「梓さん。これお願いします。」
「はーい!」
梓ちゃんは出来上がった品をお客さんのもとへ運んでいった。
安室さんは再び目線を私に向けた。
「その方のお名前をお伺いしても?」
「えっと…。沖屋さんと言います。」