第11章 11
「在庫管理終わりましたー!」
そう言って梓ちゃんがバックヤードから出て来た。
「ありがとうございます。」
「梓ちゃん、おかえり!」
「えへへ、ただいま!」
さっき私の顔を見ると嬉しくなるって言ってくれたけど私も梓ちゃんの笑顔を見るのが大好きだ。
その後私たちは「初詣に行った?」とか「お雑煮やおせち食べた?」とお正月の話で盛り上がった。
もちろんバイトをしていてどっちもしてないな…。
あっ、後でバイトの話もしよう!
そう思っていると私の後ろのテーブル席に座っているお客さんが梓ちゃんを呼んだ。
「はーい!ちょっと行ってくるね!」
梓ちゃんはペンとメモを持ってお客さんの方に向かって行った。
私は何気なくカバンに手を伸ばした。
「あっ…、忘れてた…。」
私はカバンの横に置いていた紙袋から包装紙に包まれた箱を取り出して安室さんに差し出した。
「安室さん。遅くなっちゃったけど、これお年賀です。ポアロの皆さんで食べてください!」
安室さんは一瞬目を見開いたが、すぐに穏やかな表情に戻り、少し申し訳なさそうな顔をした。
「お気遣いいただいてすみません。ありがとうございます。」
「それと、お待たせしました。」そう言って注文していたチョコレートミルクティーを持って来てくれた。
ちょうどその時注文を終えた梓ちゃんも戻ってきた。
「えーっ!!柚希ちゃんありがとう!!」
どうやら最後のやり取りが聞こえたようで、嬉しそうに笑ってくれた。