第14章 もうすぐ誕生日
勇斗君「……何でも嬉しいと思う。」
その言葉に、胸がドキッとした。
「……勇斗君?」
勇斗君「ん?」
「……今の、どういう意味?・・・勇斗君、好きな人居るの?」
勇斗君は少しだけ笑った。
勇斗君「さぁ?」
「もう……。」
勇斗君「ほら、早く探そ。太智の誕生日、明日なんだから。」
「う、うん。」
勇斗君は先に歩き出す。
私はその背中を見つめながら、胸に手を当てる。
――今の言葉。
どういう意味だったんだろう。
二人でいくつかのお店を回る。
勇斗君「これは?」
「ん〜……太智君、こういうの使うのかな?」
勇斗君「じゃあ、こっちは?」
「可愛いけど……ちょっと太智君っぽくないかな。」
勇斗君「じゃあ、あっち。」
「ふふっ。」
気がつけば、私はずっと笑っていた。
勇斗君も楽しそうに笑っている。
勇斗君「ちゃん。」
「何?」
勇斗君「俺、今日来て良かった。」
「え?」
勇斗君「ちゃんがこんなに楽しそうに笑ってるから。」
「……。」
勇斗君「昨日まで、ずっと心配だったんだよ。」
勇斗君の表情が少し真剣になる。
勇斗君「昨日、倒れた時……本当に怖かった。」
「……ごめんなさい。」
勇斗君「謝らないで。」
勇斗君は優しく首を振る。
勇斗君「俺が心配してるのは、ちゃんが俺たちのマネージャーだからじゃない。」
「……。」
勇斗君「一人の女性として、大切だから。」
「……え?」
勇斗君は、それ以上何も言わなかった。
ただ、少し照れたように笑った。
私は何も言えないまま、勇斗君の横を歩く。
胸の奥が――。
さっきから、ずっとドキドキしている。