第13章 新たなライバル
しばらくするとちゃんが苦しそうに寝返りを打つ。
俺は、すぐにぬるくなったタオルをまた水に濡らして絞りちゃんの額に乗せた。
「……太智君……」
俺は、また一瞬固まった。
太智君「……また俺の名前?」
嬉しい。
でも同時に、
太智君「……何でだよ。」
と苦笑する。
太智君「ちゃんって勇ちゃんが好きなんでしょ?そんなに俺の名前ばっかり呼んだら・・・期待するやん(汗)」
さっきより握ってる手に力を入れて握った。
太智君「ちゃん・・・俺、君を誰にも渡したくない。例え、勇ちゃんでも嫌や。俺、どうしたら良いん?(涙目)」
眠っているちゃんから返事が返ってくることはない。
俺は、握っていた手を少し緩める。
太智君「……ごめん。こんなん言われても困るよな。」
苦笑いを浮かべる。
太智君「俺、何してんねん……。」
こんなことちゃんが起きてる時には絶対に言えない。
マネージャーと担当アイドル。
俺達が、そんな関係になることなんて、許されるはずがない。
それなのに――。
ちゃんの手を離そうとした、その時。
ギュッ。
太智君「……え?」
握っていた俺の手に、ほんの少しだけ力が返ってきた。
太智君「ちゃん?」
眠っているちゃんの指が、俺の手を掴んでいる。