第13章 新たなライバル
その時、楽屋のドアがノックされた。
スタッフ「そろそろ、こちらの楽屋、閉めますけど・・・」
勇斗君「分かりました。」
勇斗が立ち上がる。
俺は、ちゃんを見る。
太智君「……あの、すみません。彼女、高熱出して寝てるので、動かせないので、朝までこちら使わせてもらっても良いですか?」
スタッフさんは、目を丸くした。
スタッフ「わ、分かりました。お使い下さい。」
と言ってスタッフさんは、出て行った。
太智君「俺、今日、ここに泊まる。ちゃんを看病してるから勇斗は帰ってええで?」
勇斗君「分かった。」
勇斗がドアのところまで行く。
そして振り返った。
勇斗君「太智。」
太智君「ん?」
勇斗君「ちゃんのこと……頼む。」
太智君「……ああ。」
勇斗が出て行った。
静かになった楽屋。
俺はソファの横に座り、ちゃんの手を握ったまま、もう一度額に触れる。
太智君「……早く元気になれよ。」
ちゃんは答えない。
太智君「俺の誕生日なんて、どうでもいいから。」
一瞬、言葉が詰まる。
太智君「……いや。」
俺は小さく笑った。
太智君「やっぱり、ちょっとだけ祝ってほしい。」
ちゃんの寝顔を見つめる。
太智君「だから……それまでに元気になって。」
俺は、ちゃんの手をそっと握り直した。
太智君「約束な。」