第15章 誕生日当日の出来事
葉月「……それから、もう一つ、プレゼントがあります。」
太智君「?」
葉月ちゃんが顔を上げる。
その目は、少し潤んでいた。
葉月「私の気持ちです。」
太智君「……えっ?」
葉月「私……。」
一度、深呼吸する。
葉月「塩崎さんのことが・・・好きです。」
太智君「……。」
葉月「ずっと好きでした。・・・付き合ってもらえませんか?」
胸がドクンと鳴る。
葉月「仕事で一緒にいるうちに、どんどん好きになって……。」
葉月ちゃんの声が震える。
葉月「今日、ちゃんと伝えようって決めてました。」
太智君「……葉月ちゃん。」
葉月「迷惑だったらごめんなさい。」
俺は何も言えなかった。
葉月ちゃんが俺を好きだということは、何となく分かっていた。
でも、今、俺の頭の中に居るのは、 ちゃんだけ。
俺が、本当に欲しいのは、ちゃんだけ。
葉月ちゃんは不安そうに俺を見る。
葉月「塩崎さん……?」
俺は手の中のプレゼントを見る。
そして、静かに息を吐いた。
太智君「……ありがとう。ちょっと・・・考えさせて?」
気付いたら、そう答えていた。
何ですぐ断らんかったんやろ?
何で「ちょっと考えさせて?」って言ってしまったんやろ?
答えは明白だった。
俺は・・・保険を掛けたんだ。
ちゃんが、俺を好きになる可能性は、例え俺が頑張って振り向かせようとしても限りなく低い。
だから俺は、葉月ちゃんを ちゃんの代わりにしようとした。
マジで最低やんか、俺。
何やってんねん。