第13章 新たなライバル
「……ごめん……なさい……」
太智君「謝らなくていい。」
思わず、ちゃんの手を握る。
太智君「もう謝らなくていいから。」
ちゃんは、まだ目を覚まさない。
俺は手を離さなかった。
勇斗君「……太智。」
太智君「ん?」
勇斗君「今、ちゃん、お前の名前呼んだぞ。」
太智君「……聞こえた。」
勇斗君「嬉しいだろ?」
俺は少しだけ笑った。
太智君「……嬉しいよ。」
でも、その直後。
胸の奥に、別の気持ちが浮かんだ。
・・・でも、何で?
勇斗のことが好きなんじゃないのか?
そう思うと、喜んでばかりもいられなかった。
太智君「……俺には、分からない。」
勇斗君「何が?」
太智君「ちゃんが、どうして泣いてたのか。」
勇斗は何も言わなかった。
しばらくちゃんを見つめた後、ぽつりと言った。
勇斗君「だったら……ちゃんが話せるようになるまで待つしかないだろ。」
太智君「……そうだな。」