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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第5章 【第四話】黒衣に宿る祈り



神田の視線が、私とリナリーへ向く。
正確には、私の両手に顕現した白銀のレイピアへ。

昨日と同じ違和感がまた胸をざわつかせた。


理由は、やはり分からない。

ただ、近くにいるほど、何かが引っかかる。


神田はしばらく無言でこちらを見ていた。


「……遊びなら、他所でやれ」

リナリーが眉を寄せた。

「遊んでないわ。ティファの戦い方を確認していたの」


「確認?」

神田の暗い瞳が、もう一度、私のレイピアへ落ちる。

「光ってるだけで、斬れるのか。それ」


戦場で役に立つのか。
命を預けられる武器なのか。

そう問われているように感じた。


私は二本のレイピアを下ろした。

「試してみる?」


リナリーが、わずかに息を呑んだ。
壁際で、ラビの笑みが深くなる気配がする。


神田の目が、細められた。

短い沈黙が落ちる。


「……口じゃなく、任務で見せろ」

それだけ言い残し、神田は鍛錬場の奥へ歩いていく。



――任務で。

どんな戦いでも、振り返ればどこかに師匠の煙草の煙があった。

次の戦場には、それがない。


「……ティファ、大丈夫?」

リナリーがそっと近付く。


私は小さく息を吐いて、旋律を止めた。二振りのレイピアが、白い光の粒へほどけていく。

「ええ。大丈夫よ」

そう答えると、壁際にいたラビがひらひらと手を振った。

「いやぁ、怖ぇ怖ぇ。ユウにあんな返しできる奴、そうそういねぇさ」

「聞かれたことに答えただけよ」

「『試してみる?』は、答えっていうか喧嘩売ってるだろ」

「そう聞こえた?」

「聞こえた聞こえた」


ラビは笑いながら歩いてきて、数歩手前で止まった。その目が、空になった私の両手へ落ちる。

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