第4章 【第三話】檻と家のはじまり
翌朝。
控えめでありながら快活なノックの音に、私は目を覚ました。
窓の外は薄曇りで、冷たい朝の光が石造りの部屋へ差し込んでいる。
「ティファ、おはよう! 起きてる?」
扉の向こうから、リナリーの声が聞こえる。
私は慌てて身支度を整え、扉を開けた。
そこには、既に団服姿へ着替えたリナリーが、明るい笑顔で立っていた。
「おはよう。よく眠れた?」
「おはよう。ええ、ぐっすりね」
本当は、眠りにつくまで少し時間がかかった。アレンのボタンを握ったまま、いつの間にか眠っていた。
「今日は朝食のあと、正式な団服の採寸があるの。それから、落ち着いたら今度、一緒に訓練もしましょう」
「訓練?」
「うん。クロス元帥のもとで、どんな戦い方を学んだのか興味があるの。ティファのイノセンスは、どんなふうに使うの?」
「歌と一緒に、二振りのレイピアを顕現させるの」
「素敵……実際の任務で一緒になる前に、動きだけでも見せてほしいわ」
言いながら、リナリーは自分のブーツのつま先で、床をとんと鳴らした。