第4章 【第三話】檻と家のはじまり
ラビと別れたあと、リナリーが私の部屋まで案内してくれた。
扉の脇には、もう私の名前が書かれた札が掛かっていた。
清潔なベッドと、小さな机。簡素な衣装棚。
窓際には、外の灰色の空を見渡せる小さな椅子が置かれている。
――ここには、私のための場所がある。
そのことが、妙に現実味を持って胸へ迫った。
「必要なものがあったら、何でも言ってね」
リナリーが扉の前で微笑む。
「明日の朝、迎えに来るわ。正式な団服を作るための採寸があるの」
「ありがとう、リナリー。本当に、何から何まで」
「気にしないで。私がしたいの」
彼女は少し照れたように笑う。
「女の子の仲間が増えるの、すごく嬉しいから。……ティファって、なんだかお姉さんみたいで、安心するし」
思いがけない言葉に、私は小さく目を見開いた。
「私が?」
「うん。落ち着いていて、優しそうで……でも、ちゃんと強そう」
リナリーは、ふふ、と笑った。
「これから仲良くしてね」
胸が、じんわりと温かくなる。
「……ええ。こちらこそ」
「じゃあ、おやすみなさい。ゆっくり休んでね」
「おやすみなさい、リナリー」
扉が静かに閉じた。