第4章 【第三話】檻と家のはじまり
向かいのラビは、何も言わずに私を見ていた。私が視線を向けると、すぐにいつもの調子で口を開く。
「な? オレの案内、間違ってなかっただろ?」
「ええ。食堂については、あなたを信用してもよさそうね」
「ひっでぇ! そんだけ!?」
ラビがテーブルに突っ伏す。
リナリーが吹き出し、私も小さく笑った。
ここでなら。
もしかすると、私も新しい日々を始められるのかもしれない。
そう思えた。
食事を終える頃、リナリーがふと思い出したように顔を上げた。
「少し休んだら、簡単に本部の中を案内するわね。医務室や鍛錬場の場所だけでも知っておいた方がいいでしょう?」
「ええ、お願いするわ」
「オレも行くさ」
ラビがすかさず口を挟む。
「ラビは本当に暇なの?」
「新しい仲間を案内するのは、立派な交流活動さ」
リナリーは溜息を吐いたけれど、今度は追い払わなかった。