• テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第27章 【幕間】神田/月影の楽園 前編



「……あの馬鹿ウサギは任務か」

不意に神田が言った。


私は驚いて顔を上げる。

「ええ。昨日から地方へ行ってるわ」

「そうか」

短い返事。


それだけだった。

けれど、神田の張り詰めていたような横顔が、ほんの僅かに緩んだように見えた。


きっと、ラビの騒がしさに巻き込まれずに済むと思ったのだろう。

私はそう納得し、深く考えなかった。



やがて、小舟の乗組員が静かに声を上げる。

「出航します」

白い蒸気が噴き出した。


私は外套の裾を押さえながら、小舟へ足を踏み入れる。

神田も無言のまま、その後へ続いた。

/ 1033ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp