第42章 【第三十七話】声なき再会
「師匠!」
先に扉へ辿り着いたアレンが、勢いよく押し開けた。
その背中が――固まる。
「……アレン?」
追いついたラビは、その肩越しに、部屋の中を覗き込んだ。
そして、見た。
ソファの上へ、クロスが屈み込んでいる。
眠るティファの喉元へ、指を添えて。
そのすぐ傍で、リナリーが心配そうに顔を寄せていた。
角度が、悪い。
何もかも、角度が悪すぎた。
「「…………」」
一拍の沈黙。
次の瞬間、二重に爆発した。
「師匠ぉぉ!? 二人に何を――!」
「テメェ何ティファに触ってんさ!!」
「な、な、何してるんスか!? あの人!!」
チャオジーまで、素っ頓狂な声を上げる。
最後に入ってきた神田は、何も言わなかった。
ただ、ソファの上へ向けられた視線だけが、一瞬、鋭くなる。
クロスは、指も離さなかった。
心底面倒そうに、視線だけを寄越す。
「……騒ぐな。響くだろうが」
「響くとかの問題じゃ――」
「包帯の下を診てただけだ」
リナリーが、慌てて両手を振った。
「わ、私がお願いしたの! 喉の具合を診てほしいって! 眠ってる間に容態が変わってないか、心配で……」
「……あ」
ラビの怒りが、行き場を失って萎んだ。