第42章 【第三十七話】声なき再会
全員、床へ転がり込んだ。
「ぜぇ……はぁ……」
「し、死ぬかと思ったさ……」
チャオジーは、自分の手首の腕輪を見つめていた。
「これが……イノセンス……。アニタ様達が、くれたんだ」
ぽつりと、呟く。
その横顔を、アレンが黙って見ていた。
何も言わない。
言えることなんて、まだない。
けれど、その沈黙は、さっきまでとは少しだけ違って見えた。
ラビは、二人から視線を外し、わざとらしく声を上げた。
「そういやさぁ、オレのイノセンス、大破しちまったんだけど……大丈夫かなぁ……」
神田も、無言で袋を掲げる。
中で、六幻の欠片が、じゃらりと鳴った。
「コムイさんが直してくれますよ」
アレンがあっさり言う。
ラビと神田は、同時に黙り込んだ。
(……問題は、アイツなんだよなぁ)
修復してくれる。
それは、間違いない。
ただ、あの科学者が“普通に”直してくれる保証が、どこにもない。
背筋に、嫌な寒気が走った。
「そんなことより」
アレンが、ふと真顔に戻った。
「クロウリーやティファも心配ですし、部屋に戻らないと。リナリーと師匠が、二人で見てくれてますけどね……」
言いながら。
アレンの動きが、止まった。
リナリーと。
師匠が。
二人で。
「…………ふたりで?」
あの女たらしと、リナリーが。
「ふたりで!?」
――全速力で、走り出した。
「あ、おい! アレン!?」
ラビも、慌てて後を追う。
白い回廊を、足音が駆け抜ける。
(いや、いくら何でも心配しすぎだろ……)
呆れ半分で追いながら、それでも足は緩めなかった。
どうせ、向かう部屋は同じだ。
あの部屋には、ティファがいる。