第24章 【第二十三話】触れていい理由
考えてること、全部ばれてる。
……よりによって、一番知られたくない人に。
ランプを近くの木箱に置いて、勢いよく振り返る。顔が、どうしようもなく熱い。
「悪い……? だって、初めてなんだもの……っ。こんなに、人を好きになったの」
……返事がない。
恐る恐る見上げると、ラビが固まっていた。
「……っ、待て」
「な、何」
「……今の、心臓止まるかと思った」
ラビは、本当に胸元を押さえていた。
「止まったら、困る……」
気付けば、そう口にしていた。ラビが、がくりと項垂れる。
「……お前はオレを、どーしたいんさ」
言うなり、ぎゅうっと抱き締められた。
押し付けられた胸から、ラビの鼓動が伝わってくる。
……私と、同じくらい速い。
背中に回っていた手が、ゆっくりと髪を撫でた。
「……オレ、どんなお前も覚えてんだぜ」
耳元に落ちてきた声は、さっきまでよりずっと静かだった。
「全部、ちゃんと可愛かった」
……朝、鏡の前で悩んでいた自分ごと、抱き締められた気がした。
腕が緩んで、指先が頬に滑る。
顔を上げさせられて、唇が重なった。
一度離れて、また触れる。
今度は、素直に目を閉じた。
ランプを資材置き場に置き忘れたことに気付いたのは、暗いままの自分の部屋に戻ってからだった。
「……何しに行ったのよ、私」