• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第23章 【第二十二話】もう戻れない夜



翌日は、一日がやけに長かった。

本を開いても、文字が頭に入ってこない。窓の外を見て、時計を見て、また溜め息を吐く。


――そりゃ、行かねぇわけねぇな。

書庫で聞いた声が、ふとした拍子に蘇る。


食堂ですれ違ったアレンは、「おはようございます」と、いつもより少しだけ明るい声で笑ってくれた。

私も、何も言わずに笑い返して。

アレンの背中が見えなくなってから、そっと唇を噛んだ。



昼を過ぎても、ラビは一度も姿を見せなかった。まだ、書庫にいるのだろうか。

日が傾く頃には、部屋の中を何度も行ったり来たりしていた。

結局、ベッドに倒れ込んで、枕に顔を埋める。


「……もう、駄目」

呟きが、部屋に溶けていく。


……早く会いたい。

でも、まだ心の準備が出来ていない。


こんなに夜が待ち遠しいなんて、知らなかった。

/ 392ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp