第22章 【第二十一話】雪明かりの答え
――言わなきゃいけない。
曖昧なまま、優しさに甘えてはいけない。
私は小さく息を吸った。震える指先で、胸元をぎゅっと押さえる。
「……アレン」
椅子の上で、ゆっくりと振り返る。
師匠との旅のあいだ、いつも隣にあった顔が、すぐそこにあった。
「私……」
喉が震える。
「ラビが、好き」
言葉にして、やっと分かった。答えは、とっくに出ていたのだと。
アレンの瞳が、ほんの少しだけ揺れる。
……傷付けてしまった。
でも、もう嘘は吐けない。
「アレンのことも、大切よ。失いたくないって、本当に思ってる」
私は小さく息を吐く。
「でも……気付いてしまったの」
胸元にそっと手を当てる。
「私が、一番そばにいたいって思うのが、誰なのか」
アレンがゆっくり目を伏せる。
覚悟していた答えを、受け止めるみたいに。
ふっと、アレンの肩から力が抜けた。
「……勝てないな。ティファ……今、すごく真っ直ぐな顔してる」
不意に頭に手が乗せられ、私は目を見開いた。
優しく髪を撫でる指先。
その手つきは、いつもと何も変わらない。
それが、苦しかった。
唇が、震える。
「そんな顔しないでください。ティファは、何も悪くないんですから」
私は唇を噛む。
アレンは少しだけ困ったように笑った。
「……本当は」
下ろされた指先が、僅かに強張った。
「本当は……さっきみたいな顔で、僕を見てほしかったです」
言ってしまってから、アレンは口を噤んだ。
「すみません。今のは、忘れてください」
「アレン……」
「忘れてほしいです……。じゃないと……僕も、諦められなくなるから」