第22章 【第二十一話】雪明かりの答え
「ラビ」
入口から届いた声に、ラビの肩がわずかに強張る。
振り返ると、ブックマンが立っていた。ちらりと、私を一瞥する。
「……少し、来い」
「……ん」
ラビは何の用事かも聞かずに立ち上がる。
「悪ぃ、ちょっと行ってくる」
去り際、机の下で彼の指先が私の手に触れた。びくり、と肩が揺れる。
すぐ離れたのに、不思議と置いていかれた気はしなかった。
振り返りもせずに、ラビはブックマンの後に続く。
――セトラの娘へ向けた情は、捨てろ。
書庫で聞いた声が、耳の奥に蘇る。
ラビが食堂を出て行ったあと、甘くなり過ぎた紅茶にほとんど口を付けられなかった。
そんな私を見てか、リナリーがそっと席を立つ。
「ティファ、少し歩かない?」
柔らかな声に、私は小さく頷いた。