• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第21章 【第二十話】残り香は、まだ熱い



静かな廊下を、ラビはゆっくり歩いていた。石造りの窓から、冷たい夜気が入り込んでくる。


「……さむい」

小さく身を縮めると、ラビが足を止めた。


少し黙ってから、私を窓辺の段にそっと座らせる。首に巻いていたマフラーを解いて、肩ごと包むように掛けてくれた。


ふわり、とラビの匂いがした。


落ち着く。


無意識に、その布に頬を寄せる。ラビの喉が、小さく上下した。


「……勘弁してくれ」

困ったような声だった。なのに、ずれかけたマフラーを、ラビの指がもう一度首元まで引き上げてくれた。



部屋に着くと、ラビは慎重に私をベッドに降ろした。背中に柔らかな感触が触れて、掛布団が掛けられる。

首元のマフラーから、まだラビの匂いがした。


そのまま、意識がゆっくりと沈んでいった。

/ 382ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp