第21章 【第二十話】残り香は、まだ熱い
Side:ラビ
マフラーを回収しようと伸ばした手が、止まった。
ティファが、眠ったままその布をぎゅっと抱き込んでいる。
「……おい」
端をつまんで、そっと引いてみる。
「や……」
小さく眉を寄せて、さらに擦り寄られた。取り上げないで、と言わんばかりに。
……いや、それオレのなんだけど。
起きてる時より、よっぽど素直さ。
「……返してくれねぇのかよ」
結局、取り返すのは諦めた。髪を掻き上げて、ベッドの脇にしゃがみ込む。
「……潰れたふりして逃げるって、言ってなかったっけ」
頬をつついてみる。……起きねぇ。
「……そんな安心した顔すんな」
返事の代わりに、静かな寝息が聞こえた。