• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第21章 【第二十話】残り香は、まだ熱い



ラビは私を見るなり、ふっと表情を緩めた。

「クロちゃん、科学班に捕まって泣きそうになってる」

「もう?」

「もう」

思わず吹き出すと、ラビも小さく笑った。


隣で、リナリーがそっと口元を押さえた。私とラビを見比べて、小さく微笑む。


「……私、先に戻ってるね」

「え、リナリー?」

「歓迎会までまだ少し時間あるし、ティファも一度部屋で休んだ方がいいと思うから」

それから、ちらりとラビを見て意味ありげに微笑む。


「……へいへい」

ラビが、苦笑まじりに片手を上げた。リナリーはくすりと笑って、医務室を出ていった。



扉が静かに閉まると、部屋が少しだけ広くなった気がした。消毒液の匂いと、白いカーテンの揺れる音。そして、目の前にいるラビの気配。

急に落ち着かなくなって、包帯の巻かれた肩に視線を落とす。

「……もう大丈夫だから」

「分かってる」

意外なほどあっさり返されて、思わず顔を上げた。ラビの目が、ふいに私の髪へ移った。


「……髪、乱れてる」

「え?」

手を上げるより早く、ラビの指先が銀髪に触れた。絡まった一房を、ゆっくり梳くように整える。

その指が、ほんの一瞬だけ耳元を掠めた。


「っ……」

思わず肩が跳ねると、ラビが小さく笑う。


「……敏感」

ぼそりと落とされた一言に、顔が一気に熱くなった。

/ 392ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp