第21章 【第二十話】残り香は、まだ熱い
数分後。
「な、なんでだぁぁぁ!?」
「またロイヤルストレートフラッシュ!?」
男達の絶叫が響く中、アレンは涼しい顔でカードを置いた。
「僕の勝ちですね」
クロウリーのトランクだけではない。財布も時計も上着も、男達の持ち物が次々とアレンの前に積まれていく。
「お、おお……アレン、凄いのである……!」
「ほんと、いつ見ても鮮やかな手付きね」
私が感心して言うと、アレンはカードを揃えながら、少しだけ笑った。
「だいぶ練習しましたから」
隣で、ラビがちらりとアレンを見る。少し身を乗り出して、声を潜めた。
「……なぁ、アレン。どういうことさ。お前、異様に強くない?」
アレンはカードを揃えたまま、にこりと微笑んだ。
「だって、イカサマしてますもん」
「…………は? お前、天然かと思ったら普通に黒いさ……」
「何か言いました?」
「何でもねぇよ……」
小さく苦笑してしまった。
「……へぇ」
くすり、と瓶底眼鏡の男が笑った。パンツ一丁のくせに、妙に余裕がある。
「兄ちゃん、面白ぇなぁ」
「ありがとうございます。……はい、返しますね」
男達から剥ぎ取った服を、丁寧に畳んで差し出している。