• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第21章 【第二十話】残り香は、まだ熱い



アレンが、静かに前に出る。

「返してください。クロウリーの荷物です」


男達は顔を見合わせて、下卑た笑みを浮かべた。

「じゃあ兄ちゃんもやる?」

「負けたら、そこの綺麗なお嬢さん、俺らと遊ぼう」


空気が止まった。


「はぁ!? ふざけんな! ティファを何だと思って――」

ラビが声を荒げる隣で、私は思わず吹き出しそうになっていた。

アレンが、静かにその輪の中に腰を下ろしたからだ。その口元には、薄い微笑みが浮かんでいる。

……ああ、終わった。

心の中で、男達にそっと手を合わせる。


焦っているのは、ラビだけだった。

「おいアレン! お前まさか本気でやる気か!?」

「はい」

アレンは平然とカードを手に取った。

「ティファを賭けられて、僕が負けるわけないじゃないですか」


「…………は?」

ラビが固まった。

私も、思わず目を瞬く。


アレン本人は、自分が何を言ったのか分かっていないらしい。そのまま、カードを配り始めている。


一瞬だけ、書庫でのアレンの顔がよぎった。

どくん、と心臓が跳ねる。


隣のラビの笑顔が、ぴくりと引きつる。
当のアレンは、不思議そうに顔を上げた。

「? 何ですか」

本気で分かっていない顔だった。

「……天然って、一番タチ悪ぃさ」

ラビが頭を抱えた。

/ 382ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp