• テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第15章 【第十四話】言いかけた熱 



短い言葉。
そのまま扉へ向かう背中を、私はシーツを握ったまま見つめていた。


かちゃり、と扉のノブにラビの手がかかる。

その直前、彼の足が止まった。


振り返らないまま、低い声が落ちる。

「……次からは、少しは警戒しろよ」

「え?」

「男相手に、あんな無防備に近付くなって話」

低い声。

けれど最後だけ、少し掠れていた。



私は何も言い返せなかった。

ラビは自嘲するように、小さく笑う。


「まぁ、今更遅ぇけど」

「……?」

意味が分からず目を揺らす私へ、ラビは最後まで振り返らなかった。



そのまま、静かに扉が閉まる。

しん、と室内が静まり返る。
ベッドの上で、しばらく動けなかった。



胸の奥の鼓動が、ずっと落ち着かない。

押し倒された時の熱が、夜の冷気の中でも、いつまでも消えてくれなかった。
/ 1033ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp