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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第20章 【第十九話】もう譲れない



案内された小さな病室で、ベッドに腰を下ろす。窓の外では、雪が降り始めていた。


静かだった。

クロウリーの泣き声も、エリアーデの最後の言葉も、まだ耳に残っている。


――あなたを、愛したかったのにな。


あの人の最後の言葉は、きっと本当だった。



……なら、ラビの言葉は。


――好きな奴が傷ついてんの見たら。

――もろタイプさ!!


疑いたくなんて、ないのに。
腕を焼いてまで、私を取り戻してくれた人を。



廊下の足音が、部屋の前で止まる。

こんこん、と扉が鳴った。


「……入るぞ」

額に白いガーゼを貼ったラビが、扉の隙間から顔を覗かせた。私の顔を見るなり、困ったように眉を下げる。

「……何さ、その顔」

「別に……普通よ」

「どこが普通さ。さっきから、どこも見てねぇじゃん」


ラビはベッド脇の椅子に腰を下ろした。いつもならすぐに続くはずの次の一言が、来ない。


「……クロウリー、大丈夫かしら」

「泣き疲れて、今は少し落ち着いてるってさ」

「……そう」


沈黙が落ちた。窓の外で、雪が音もなく降り続けている。


ラビが、膝の上で手を組んだ。


「なぁ……城で、オレが言ったやつだけど――」

「――もう、いいの」

ラビの顔を見ないまま、言葉を被せていた。


聞いたら、きっとまた揺らいでしまう。


「……いいって、何が。あれのこと?」

「ううん。答え。……もう、待ってくれなくていいから」


ラビの顔から、表情が抜け落ちた。

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