• テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第14章 【第十三話】夜明けまで、この手を



すると、ティファの指が無意識にきゅっと握り返した。


「ラビ……」

微かな声。

ラビの呼吸が止まる。


ティファは目を覚まさない。
ただ、握った手へ縋るように、少しだけ力を込める。

それだけで、苦しそうだった呼吸がゆっくりと落ち着いていく。



ラビは、しばらく動けなかった。


胸の奥が、痛いくらい熱い。

やがて、低い声が静かな病室へ落ちた。


「……いるさ。此処に……」

その瞬間、ティファの眉からようやく力が抜けた。
安心したように、握る力が少しだけ緩む。

ラビは空いた手で顔を覆った。


「勘弁してくれって……」

低く、苦い呟き。

なのに。

握られた手だけは、どうしても離せなかった。


ラビは敷布団へ戻ることもできず、ベッドの脇へ座り込んだまま、ティファの寝息を聞き続ける。


やがて、握った手の温度を確かめるように指へ力を残したまま、彼の瞼も静かに落ちていった。

/ 1033ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp