第17章 【第十六話】吸血鬼退治と三人の距離~クロウリー編①
「逃がすな!! 黒の修道士様方に逃げられたら、村は終わりじゃ!!」
振り返るより先に、背後から縄が飛んできた。
「ちょっ――」
ぐるぐるぐるっ!! あっという間に両腕ごと縛り上げられる。
「ティファ!?」
「お前さんもじゃ!!」
顔色を変えたラビに、村人達が一斉に飛び掛かった。
「うおっ!?」
「頼む!! 村を救ってくれぇ!!」
「死にたくねぇんじゃ!!」
泣きそうな顔で必死に縄を巻いてくる。本気で縋ってくる相手を、力ずくで振り払うわけにもいかなかった。
数分後。
三人仲良く、椅子に縛り付けられていた。
「……なんでオレまで」
ラビが、死んだ目で呟いた。
「ラビが一番逃げそうだからじゃないですか」
「いやオレ逃げねぇし」
「さっき、入口の方見てましたよね?」
「気のせいさ」
「三回は見てました」
吹き出しそうになるのを、どうにか堪えた。
杖をついた老人が、前へ進み出る。
「皆の者!!」
ざわついていた集会所が、しんと静まった。
「神への祈りが通じたのじゃ……! 黒の修道士様方が来てくださった!!」
震える手をこちらへ向けたその目には、本気の恐怖と縋るような色が浮かんでいた。