• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第17章 【第十六話】吸血鬼退治と三人の距離~クロウリー編①



ホームへ降りると、湿った夜気が頬を撫でた。駅は驚くほど静かで、人影もまばらだった。

「……なんか、思ったより寂れてるさ」


「あ、お弁当売ってます」

霧の中に、小さな売店の明かりがぽつんと灯っている。


「何か買ってきますね。ティファも食べます?」

「ありがとう。じゃあ、お願い」

「オレ、肉入ってるやつ」

「ラビは自分で買ってください」

「えー」

二人のやりとりに、また笑ってしまう。


売店の方へ歩きかけたアレンが、ふと振り返った。

「霧が濃いですから、そこの灯りの下で待っててください。すぐ戻ります」

その背中を見送っていると、隣でラビがぼそっと言った。

「ほんと、ティファには甘ぇよなー、アイツ」

「え?」

きょとんとする私を見て、ラビは小さく笑う。


「……ま、オレもだけど」

ぽん、と、頭に軽く手が乗った。

不意打ちに、胸がどくりと鳴る。ラビの方は、何でもない顔で、もう駅の外へ目を向けていた。

……やっぱり、ずるい。

/ 382ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp