第17章 【第十六話】吸血鬼退治と三人の距離~クロウリー編①
「君達には、クロス元帥を探し出してほしいんだ」
「……はい」
アレンが、静かに頷く。
「ラビは記録を兼ねて同行。ティファちゃんは、アレンくんの左目が使えない間、気配の感知を頼むよ」
「了解さ」
「承知しました」
アレンが、ようやくこちらを見た。
「……ティファも、一緒なんですね」
いつも通りの、柔らかい笑顔だった。
「ええ。今度こそ、師匠を引っ張って帰りましょう」
「それ、多分縛ってでも連れて帰らないと駄目ですよ」
「オレも協力するさー。クロス元帥相手なら、ティファがいた方が話早そうだし」
「……私が?」
「元帥相手でも容赦ねぇだろ。アレンだけじゃ、どうせ丸め込まれて終わりさ」
「否定できないのが悔しいです……」
思わず吹き出してしまう。アレンの表情も、少しだけ柔らかくなる。
「ティファ」
資料を覗き込んだまま、ラビが私を呼んだ。
「今回、何か感じても一人で動くなよ。見付けたら、ちゃんとオレらに言え。……勝手に危ない方へ行くのは禁止な」
軽い口調なのに、こちらを見る瞳は真剣だった。
前なら、仲間だから、の一言で受け取れた言葉だった。
「……分かったわ」
「よし。約束な」