• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第16章 【第十五話】順番待ちの恋



……違う、これは、そういうのじゃなくて。

思わず、本を胸に伏せた。



そもそも、恋なんてしたことがない。

私が知っている「好き」は、家族に向けるものと、仲間に向けるものだけだ。


……恋かどうか怪しいものなら、嫌というほど見てきたけれど。


師匠の元にいた頃に考えていたことといえば、明日の修行と、師匠のツケの返し方くらいだ。近くで見た恋なんて、師匠のものしかない。


どの街に着いても、師匠の周りにはすぐに女の人が集まった。誰が一番なのか、きっと師匠本人にも分かっていなかった。

鉢合わせた二人の間に挟まれたり、「あの人はどこ」と詰め寄られたりするのは、いつも私とアレンの役目だった。


誰にでもいい顔をして、誰にもちゃんと答えないのは、嫌だ。

ラビにだけは、いい加減な返事をしたくない。


なのに、肝心の答えが、まだ見つからない。



答えのないまま顔を合わせるのが気まずくて、気付けば、少しだけ距離を取ってしまっていた。

/ 382ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp