第16章 【第十五話】順番待ちの恋
――好きな奴。
あの日から、ラビの言葉が耳から離れない。
――目の前でお前が消えていくのを、ただ見てるなんてできるわけねぇだろ。
遊園地でそう言われた時は、仲間だからだと思っていた。ラビは優しいから、目の前で誰かがいなくなるのを放っておけないのだと。
ラビのことは好き。
アレンやリナリーや、教団の仲間も好き。
……同じ、よね?
考えても分からなくて、本に頼ることにした。
いつもならラビに選んでもらうところだけど、さすがに今回は頼めない。
……もしかしたら、恋物語の中に答えがあるかもしれない。
書庫の隅の、普段は素通りする棚から一冊抜き出す。
……もし今、ラビに会ったら。
そう思うと、なんとなく表紙を内側にして抱えたまま、部屋まで急いでしまった。
寝台の上でページをめくる。
物語の女の子は、幼なじみの騎士に名前を呼ばれただけで真っ赤になって、三ページ目にはもう「この人が好きなんだわ」と気付いていた。
名前を呼ばれただけで、なんて。
――ティファ。
不意に、あの声が耳の奥で響いて、頬が熱くなる。