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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第15章 【第十四話】言いかけた熱 



療養生活に入って、数日が経った。

右腕の傷は少しずつ塞がりつつあったが、医療班から任務復帰の許可はまだ下りていない。回診のたびに「とにかく安静に」と釘を刺されて、私は教団の中を行き来するばかりの日々を送っていた。


昼の食堂は混んでいた。左手だけで盆を運ぶのにもようやく慣れてきて、空いた席を探していると、窓際から軽い声が飛んでくる。

「ティファ、こっち空いてるさ」


ラビだった。当たり前みたいに手招きされて、向かいの席へ盆を置く。

ラビの視線は、私の皿の上で止まっていた。肉も野菜も、一口で食べられる大きさに切り分けられている。

「お、特別扱いじゃん」

「怪我人だからよ。アレンが、ジェリーさんに頼んでくれたの」


「……ふーん」

ラビはパンを千切りながら、何気ない調子で続けた。

「アレンって、昔からあんな世話焼きなん?」


「昔は、私が焼いてた方よ。アレンが師匠に引き取られたばかりの頃は、特に。眠れない時とかは、隣で子守唄を歌ったり」

「……まさか、添い寝で?」

「ええ。一人だと、なかなか眠れない子だったから」


パンを千切っていたラビの手が、そのまま止まった。

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