• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第15章 【第十四話】言いかけた熱 


Side:ラビ

数日後。


食堂の入口で、足が止まった。


窓際の席に、ティファとアレンが向かい合って座っている。三角巾の右腕を庇いながら、左手だけでパンを千切るティファに、アレンが何か話しかけていた。

声を掛けようとして、手を上げかけた時だった。

「ティファ。今日も、二十一時頃でいいですか?」


「ええ。いつもありがとう、アレン」

「いえ。僕が好きでやってるので」


上げかけた手が、宙で止まった。


……二十一時。

何の、とは聞こえなかった。

ティファは当たり前みたいに頷いて、アレンも当たり前みたいに笑っている。もう何度も繰り返してきた約束みたいに。


脇に抱えていた本が、急に重くなった気がした。

包帯の巻かれた右手を、ゆっくり下ろす。


「……何の時間さ、それ」

誰にも聞こえねぇ声で呟いて、オレは踵を返した。

/ 392ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp