第15章 【第十四話】言いかけた熱
コムイさんの室長室へ入ると、すでにリーバー班長とブックマンが待っていた。
机の上には、出発前に見た遊園地周辺の地図が広げられている。赤い印の付いた地点が、今はひどく遠い場所のように思えた。
「……座って。怪我をしているところ悪いけれど、聞かせてもらいたい」
コムイさんの声は静かだった。眼鏡の奥の瞳には、隠し切れない緊張が滲んでいる。
私は頷き、椅子へ腰を下ろした。
隣では、ラビが黙ったまま壁際へ立つ。いつもの軽い笑みは浮かべているのに、その表情はどこか硬かった。
遊園地で起きたことを順に話した。
火災で亡くなった人々の魂が、終われないまま歪んだ空間へ留め置かれていたこと。生きた少年が、私を誘き出すための餌として放り込まれていたこと。
そして、AKUMAが私を殺さずに、連れ去ろうとしていたことを。
リーバー班長は、手元の報告用紙へ視線を落としたまま、低く息を吐く。
「……偶然じゃねぇな。前の村で起きた異常を踏まえて、今度は意図的に範囲を閉じた。そのうえで、ティファを呼び寄せる餌まで用意したってことか」
「そう考えるしかないだろうね」
コムイさんの指が、地図の赤い印の上で止まる。顔から、笑みが消えていた。