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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第9章 【第八話】記録者の選択


扉が閉じる。
静かな音だった。

それなのに。
先ほどまで穏やかだった医務室が、急に広くなったように感じた。


私は手の中の林檎へ視線を落とす。

甘いはずのそれが、なぜか少しだけ味を失っていた。


何か、いけないことを言ってしまったのだろうか。


分からない。

ただ。

彼の背中から引いていった温度だけが、胸の奥へ小さな棘のように残っていた。
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