• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第11章 【第十話】巻き戻らない時間



「させない!」
 
刃を交差させ、弾丸を切り払う。弾き切れなかった破片が、肩口を掠めた。
 
団服の布が裂け、熱い痛みが走る。
 
「ティファ!」
 
「平気よ!」
 
答えながら、私は歯を食い縛った。

 
喉の奥が焼けるように痛むけど、今ここで崩れるわけには、いかなかった。

じりじりと、包囲が狭まっていく。出口はAKUMAに塞がれ、砕けた壁の向こうにも新たな影が揺れている。

 
反対側の壁の向こうから、何かが凄まじい勢いで近付いてくる音がした。
 
ごう、と空気が震える。
病室の壁が、再び轟音と共に粉砕された。
 
「どっけええええ!! スピード落とせねぇさ! 止まんねぇぇぇええ!!」
 
「うわぁああああ!? ラビ! だからもっと慎重にって言ったじゃないですか!!」
 
爆風と瓦礫を突き破り、巨大化した鉄槌が一直線に室内へ突っ込んできた。
 

その柄へしがみ付いているのは、赤い髪を激しくなびかせたラビ。その後ろで、アレンが必死に振り落とされまいとしている。
 

「ラビ!? アレン!?」
 
叫んだ直後、制御を失った鉄槌が、病室へ群がっていたAKUMAたちをまとめて薙ぎ払った。
 
黒い身体が次々と吹き飛ばされ、壁へ、床へ、天井近くへと叩き付けられる。砕けた器から、解放された魂の光がいくつも昇った。
 
甲高い断末魔が重なり、粉塵の向こうで、忌まわしい駆動音が途絶える。

/ 382ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp