第8章 【第七話】肩を並べる約束
「ティファ!」
ラビの声が響く。
私は痛みを押し殺し、すぐに彼を見た。
先ほど交わした条件を、思い出す。
一人で突っ込まない。
必ず、彼を見る。
「平気よ!」
答えると、ラビの表情が僅かに揺れた。
けれど、今度は私の前へ飛び出してはこなかった。
代わりに、大槌を大きく振り被る。
「なら、合わせろ!」
「ええ!」
轟音と共に槌が振り下ろされる。
地面を走った衝撃が雪原を揺らし、襲いかかってきたAKUMAの身体を空中へ跳ね上げた。
私は、その軌道を見失わなかった。
白銀の刃が、弧を描く。
一閃。
核を裂かれたAKUMAが、光の粒となって雪へ降り注いだ。
「助かったさ!」
「お互い様よ」
吹雪の奥で、残る黒い影たちが歪んだ咆哮を重ねた。
一体ではない。
白い風景の中で、幾つもの黒い輪郭が揺れている。
今度は、どちらも一人で前へ出なかった。
ラビの槌と、私の刃が。
同じ敵の群れへ向けて、並んで構えられる。
「行けるか?」
「ええ」
短く答える。
ラビが笑った。
「じゃあ、まとめて終わらせるさ!」
大槌が、雪原へ叩きつけられた。
轟音と共に衝撃が奔る。
吹雪の中に潜んでいたAKUMAたちの身体が一斉に浮き上がり、数体がそのまま雪原へ激しく叩きつけられた。
「今さ!」
ラビの声。
私は息を吸った。
喉の奥で、ニルヴァーナの光が震える。