第10章 【第九話】空白の再会
「……ティファ。この人は……?」
問い掛ける瞳が、ラビと私を見比べている。
「あ……紹介がまだだったわね。彼はラビ。教団のエクソシストよ」
「ラビ……」
アレンが、小さくその名を繰り返す。
「それから、ラビ」
私は寝台の上の少年へ視線を戻した。
「彼が、アレン・ウォーカー。以前、師匠のもとで一緒に過ごしていた、もう一人の弟子なの」
「……へぇ」
口元には、笑みがある。
「ティファが話してた、クロス元帥の弟子ってのは、お前だったんだな」
アレンは一瞬だけ私を見て、それからラビへ視線を戻した。
「……ティファが、僕のことを?」
「少しだけね」
答えると、アレンの張り詰めていた表情が、微かに緩む。
ラビは軽い調子で片手を上げた。
「ラビっす。ま、よろしく」
「……よろしく、お願いします」
アレンも礼儀正しく返す。その手は、まだ私の手を離していなかった。
「随分、ティファと仲良さそうだな」
ラビは、扉の脇の壁へ背を預けて笑った。
その一言に、アレンの指が僅かに強張った。
「……そう、見えますか」
アレンはそこで一度言葉を止め、まだ目覚めたばかりの身体で、息を整えるように浅く呼吸する。
「僕にとっては……ずっと、会いたかった人ですから」
病室の空気が、静かに張り詰めた。