• テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第8章 【第七話】肩を並べる約束


迫っていたAKUMAの身体が雪煙を上げて吹き飛び、吹雪の向こうへ転がっていく。


吹雪の奥で、幾つもの駆動音が一時遠のいた。
次の攻撃まで、ほんの僅かな猶予が生まれる。

その背中へ、胸の奥で何かが熱く膨れ上がる。


さっきからずっと、そうだ。


私が踏み込もうとするたび、ラビは前へ出る。

私の刃が届くより先に、危険を自分へ引き受ける。


彼が守ろうとしてくれていることは分かる。
けれど。


それは、共に戦うこととは違う。


「……いい加減にして」

私の声に、彼の背中が僅かに止まる。


「これは任務よ。私を信用していないの!?」
「そうじゃねぇさ」


ラビの声は、いつもの軽い調子が嘘みたいに重く、冷えていた。

「でも、今は駄目だ。下がれ」


その一言が、吹雪よりも鋭く胸へ刺さる。


「……何が違うの?」

静かに問う。

「私は、そんなに頼りない?」


ラビは、ようやく少しだけ顔を向けた。

翠の瞳に、いつもの余裕はなかった。


「……ティファが無茶するのも、自分が傷つくのを何とも思わねぇのも、オレは知ってる」


雪が、二人の間を激しく吹き抜ける。


「だから、今回はオレが止める」

低い声。

「お前を傷つかせるわけにはいかねぇんだよ」


吹雪の中でも、その声だけははっきり聞こえた。


言ってから、ラビ自身が僅かに目を見開いた。

まるで、自分の口から零れた言葉に、一番驚いているみたいに。


ほんの一瞬、その顔に迷いのようなものが過ぎる。

けれど、彼は退かなかった。
/ 1033ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp