第10章 【第九話】空白の再会
「リナリーも心配です。容態を確認するだけでも構いません。お願いします」
長い沈黙のあと、コムイさんが深く息を吐く音がした。
『……分かった』
「コムイさん……」
『そこからなら、東行きの夜汽車を乗り継げば、僕より先に着けるはずだよ。切符の手配は、こっちでしておくから』
「ありがとうございます」
『ただし、約束してほしい』
『着いたら、無理はしないこと。少しでも具合が悪くなったら、すぐに言うんだよ。君まで倒れたら、二人が悲しむからね』
「……はい」
『それから、ティファちゃん』
「何でしょうか」
『アレンくんも、リナリーも、ちゃんと生きている』
息が止まった。
『だから、焦らなくていい。ちゃんと会えるよ』
その一言に、張り詰めていたものが一瞬だけ揺らいだ。
私は唇を噛み、静かに頷く。
「……はい」
通話が切れる。私は受話器からゴーレムを外し、胸元へ抱き寄せた。
――ようやく、会える。
こんな形で、そう思いたくはなかった。
私は荷物を抱え直し、夜の駅舎へ向かって歩き出した。