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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第8章 【第七話】肩を並べる約束


ラビは窓の外を見たまま続けた。

「休むっつって、その日の夜に書庫いる奴の“大丈夫”は、あんま信用できねぇからな」


私は言葉に詰まった。

「……あれは、眠れなかっただけよ」
「はいはい」

「本当だってば」

「分かってるさ」

思いのほか静かな声だった。



それきり黙ってしまった横顔に、私は少しだけ眉を寄せる。


「ラビ」
「ん?」

「怒ってるの?」

「怒ってねぇ」

返事は早かった。

早すぎるほどに。


「じゃあ、何?」


ラビはしばらく答えなかった。
車輪の音が、二人の間へ規則正しく落ちていく。


やがて彼は、窓の外を見たまま軽く笑った。

「……今度は、ちゃんと頼れよ。そんだけさ」


その声は、冗談めかすには静かすぎた。


私は膝の上で重ねていた指へ視線を落とす。


「ええ。約束する」
「約束、ね」

ラビが小さく繰り返す。

それから、ようやくこちらへ目を向けた。


「じゃあ、オレも約束しとく」
「何を?」

「ティファが無茶しそうになったら、ちゃんと止める」

「それは、私が約束を破る前提なの?」

「念のためさ」
「信用がないのね」
「実績があるからなぁ」

軽い笑い声が零れる。


その音へ、私も僅かに口元を緩めた。

けれど、心のどこかで思う。


彼が私を止めようとする時。

そこにあるのは、記録対象を失いたくないという判断だけなのだろうか。


それとも。


そこから先を考えかけて、私は小さく首を振った。


窓の外では、雪がさらに深く降り始めていた。
村へ到着した頃には、辺り一面が白い吹雪に閉ざされていた。
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