第10章 【第九話】空白の再会
「……アレンと、リナリーが?」
『“巻き戻しの街”と呼ばれていた街でね。今は二人とも、現地の病院にいる』
喉の奥が、強く詰まった。
「容態は……?」
『命に別状はないよ。ただ、特殊な治療が必要なんだ』
指先から、熱が失われていく。
アレン。
ようやく本部へ来たと知ったのに、何度もすれ違って、まだ一度も顔を見ることができていない。やっと会えるかもしれないと思った時には、彼は傷付いて、病院で治療を受けている。
『現地には、ラビとブックマンが向かってくれている。僕も、これから発つところだ』
――ラビも、そこへ向かっている。
あの綺麗な笑顔を思い出して、胸が小さく痛んだ。
今は、考えている場合ではなかった。
「……その街へ、ここから向かえますか」
『ティファちゃん?』
「お願いします。私も行かせてください」
『待って。君も任務を終えたばかりだろう? まずは本部へ戻ってから――』
「私は、アレンに……まだ、一度も会えていないんです」
思った以上に、声がはっきり出た。
受話器の向こうが、静かになる。