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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第8章 【第七話】肩を並べる約束


胸の奥に、あの不完全な歌の残響が蘇る。


助けを求めるように。
終わらせてほしいと願うように。

あの村に満ちていた、歪んだ声。


「そのため、今回も君の能力行使について記録を取る必要がある。ラビに同行してもらう」


記録のために。

その意味を理解して、私はラビを見る。


彼は笑っていた。

けれど、ほんの一瞬だけ、露わになった翠の瞳が私から外れた。


「……観察される側としては、あまり落ち着かないわね」

「安心しろって。任務中ずっと、追い回すわけじゃねぇさ」

「本当に?」
「多分」
「信用できない返事だわ」

「ひでぇ」

ラビが胸を押さえる。


いつもの調子。
いつもの軽口。

それなのに、その笑顔の下にあるものが、以前より少しだけ近く感じられる気がした。


観察するためだけではない。
記録するためだけでもない。

そんなことを思ってしまう自分へ、私は静かに蓋をする。


今は任務だ。

そこに、別の意味を見つけようとするべきではない。


「ティファちゃん」

コムイさんが、改めて真剣な目で私を見た。

「今回は通常のAKUMA討伐とはいえ、初めての雪山任務だ。無理はしないこと」

その声が、僅かに強くなる。

「前回のように、自分の限界を越えてまで、一人で背負おうとしないこと」


胸が、微かに詰まった。

「……はい」

答えた声は、思ったよりも小さかった。

「ラビもだよ」

コムイさんが視線を移す。
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