第8章 【第七話】肩を並べる約束
「私にも、あなたを守らせて」
吹雪の向こうで、駆動音が近付いてくる。
「一人で背負わないで。二人で、生きて帰りましょう」
彼の奥で張り詰めていた音が、ふっと緩んだ。
深く息を吐き、困ったように笑った。
「……ほんと、やりにくい相手さ」
「そう?」
「普通、守るって言ったら、大人しく後ろにいてくれんだろ」
「私は普通じゃないのよ」
「それはもう、初対面で分かってたさ」
ラビの笑みが、ほんの少しだけ自然になる。
それから彼は、大槌を構え直した。
「じゃ、一つ条件」
「え?」
「危なくなったら、勝手に突っ込まない。必ずオレを見る」
私は小さく頷いた。
「あなたもよ。前へ出る時は、私を見て」
ラビは一瞬、目を丸くする。それから、観念したように肩を竦めた。
「……りょーかい」
重ねていた指を離し、私は両手にレイピアを持ち直した。
二人同時に、雪を蹴った。
ラビの槌が、轟音と共に雪原を抉る。吹き飛ばされたAKUMAの身体が、吹雪の向こうで大きく傾いだ。
「ティファ!」
名前を呼ばれる。私は迷わず雪を蹴る。
ラビが作った一瞬の隙間へ、白銀の刃を滑り込ませた。右のレイピアが装甲を裂き、左の刃が核へ届く。
甲高い悲鳴と共に、AKUMAの身体が光へ崩れた。
その背後で、黒い弾丸が放たれる。